深見養魚場 2014年 秋 @

深見ブランド

 

100を越える金魚養殖業者が存在する金魚の一大生産地・弥富市にあって、深見養魚場は弥富を代表する生産者の1つと呼ぶに相応しい。現在ではあたり前に流通する『桜錦』という品種を作出・固定したことでも有名で、かつ、青らんちゅうや秋錦、羽衣秋錦など、流通量の少ない品種を高い品質で安定的に生産されている。

 

一方で、品質の高いらんちゅうを安定して生産していて、日本らんちう協会の品評会でも優秀な成績をおさめており、『深見らんちゅう』は1つのブランドになっている。深見氏の作る魚には独特の良さがあり、品種名に『深見』という名を冠することができる金魚がたくさん存在する。

 

今回、2014年秋の終わりに深見泰範氏に養魚場を案内していただいた。

 

 

キャリコ琉金 当歳魚

池での育成方法

 

品評会用のらんちゅうを育成するスペース

この地域は地下水を汲み上げることが地理上の理由で難しいことから、生産に使う水は木曽川水系から引いている。木曽川水系の水を使いこなして病気とうまく付き合いながら生産量をきちんと確保することはなかなか難しい面があるらしい。

 

ところで、深見さんの池は、実は他の生産者とは違う点が1つある。それは、土池にビニールを張っている池があることだ。ビニールを張る理由は、水漏れ防止、たたき池に近い魚ができるためである。ちなみにビニールは2、3年で張り替えている。

 

このビニール池とビニールを張っていない土池では金魚の質が変わってくるという。「たとえばらんちゅうだと、ビニールの池で育てると品の良い、いわば都会的な綺麗な女性のイメージのらんちゅうが作れる。一方で、土池でらんちゅうを作ると、いわば田舎の健康的な女性になる。」と仰る。また、「らんちゅうは作るもので私のらんちゅうはどちらかというと健康的な綺麗な女性です。(笑)」とのこと。

 

品評会で競うようならんちゅうは、水換えをすることで排便を促してエサを食わせこんで作るらしい。相撲取りが体を作るのに似ている。ただ、深見さんがビニール池の飼育だけでらんちゅうを作っているかというとそうではなく、写真にもあるとおりたたき池でらんちゅうを作ることにも取り組んでおられる。

 

らんちゅう 当歳魚

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