孵化仔魚・稚魚を育成する方法
【水流・エアレーション】
生まれたての孵化仔魚は遊泳能力があまりないため、強い水流があると、かき回されて死んでしまいます。
90cm水槽の場合、エアストーンを2〜3個入れて、水面が盛り上がらない程度の微通気で管理します。
ろ過装置などは必要ありません。
【照明】
エサを見つけやすいように照明をつける必要があります。
照明の有無で生残率が大きく変わることもあります。
もし可能でしたら、常にエサが食べられるように24時間点灯する方が良いです。
【エサ】
孵化仔魚は、孵化後すぐにエサを食べだしますが、いきなり最初から人工飼料は食べられません。
生物餌料(生きたエサ)であるワムシやブラインシュリンプを与えます。
また、ワムシやブラインシュリンプでは栄養が少ないため、栄養強化する必要があります。
詳しいこれら稚魚のエサの管理方法や給餌方法などは、「家庭でできる稚魚のエサ」ページをご参照ください。
一番最初に与えるエサはワムシです。 与えるワムシの量は、飼育水に 10個体/ml の濃度になるようにします。 最初の給餌以降は、この 10個体/ml をキープできるように、減った分だけ足します。 |
また、ワムシが水槽内で死なないように、ナンノクロロシプスという植物プランクトンを入れる必要があります。入れる量は、飼育水が若干緑色になるくらいです。
ナンノクロロシプスの投与量目安。
(水槽正面の壁面から5cmのところに入れている
エアストーンがなんとか見えるくらいです。)
ナンノクロロシプスの投与量目安。
(水槽の上から見たところです。
右の方に小さく黒く見えるのは、稚魚です。)
次に与えるエサはブラインシュリンプです。
ブラインシュリンプは 1個体/ml を目安にキープできるように給餌します。
それぞれのエサと給餌する期間は下の図の通りです。
日齢とは孵化してからの経過日数のことで、孵化した日が日齢0 になります。
【換水・掃除】
孵化したての“仔魚”から、カクレクマノミの縞模様が現れる“稚魚”へ変態し、配合飼料を食べだすと、それなりに遊泳能力がついてきます。
このころから水換えが可能になってきますので、底面のヘドロなどを吸い取りながら水換えをおこなってください。この際、ヘドロが舞わないように、ゆっくり丁寧にサイフォンで掃除をおこないましょう。
そのあと、ろ過装置をセットして、吸い込まれないように吸い込み口をスポンジで覆うなどし、稚魚がかき回されない程度の水流で、ろ過装置を動かします。
孵化仔魚・稚魚育成のコツ!
1.生物餌料を絶やさない。 |
2.生物餌料の種類を急に切り替えるのではなく、必ず重なる期間を設ける。 |
3.水槽底面のヘドロを舞い上がらせない。 |
4.エアレーションや、ろ過の水流は稚魚が流れない程度に調整する。 |