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ちょっとした話

カクレクマノミは知的な魚!? の話

日常 編

 

カクレクマノミはとても賢く、感情をもった魚だと、よく感じます。

エサをくれる人を判断していたり、ペアの相手を選んだり。。

 

卵を産む前は、イライラ、よそよそ、落ち着かない泳ぎをして興奮しています。

エサを食べるのも忘れて、水槽に突進してくることもあります。

 

産んだ後は、卵を守るのに必死です。

卵を取ろうとすると、噛み付きにかかってきます。

結構痛くて、歯型が残るほどです。

 

一生懸命、人間に見つからないように、物陰などに卵を産むペアもいます。

それでも見つかって、卵を取り上げられてしまうと、今度はまた違う場所に産みつけようとします。

こちらとしては、取りやすいところに産んでもらいたいので、カクレクマノミとの知恵比べになります。

本気で考えて対抗しないと負けてしまい、卵を取り逃がすこともよくあります。

 

こうして観察していると、結構おもしろい魚です。

喋ったり鳴いたりできないので良いですが、もしそれができてしまったら大変そうな魚です。

 

特別な場合 編 

これは、クマノミの話ですが、愛する奥さんを想う旦那クマノミのお話です。

 

ペアで飼育していた食欲旺盛のクマノミがいました。

毎日、石ころサイズのエサを、次から次へとたくさん食べるクマノミでした。

 

あるとき、そのペアのメスが、突然死んでしまいました。

すると、その日から、残ったオスも全くエサを食べなくなってしまったのです。

水槽の端にじっとして、色も黒ずみ、元気がなくなってしまいました。

あまりの変わりように、ちょっと驚くほどでした。

 

そのオスは、あまりにずっとご飯を食べないままなので、私たちは新しい奥さんを連れてきました。

しばらくすると、オスは、元のようにご飯を食べるようになっていました。

元気になってよかった、

しかし、あのときは、本当に悲しくて食欲を無くしていたのだろうか・・・

 

この答えはわからないままですが、このような話は、ここだけでなく、ほかで聞くこともあるので、もしかしたら、本当にクマノミたちには感情があるのかもしれない・・・と考えています。


 

10年間産み続ける!? の話

カミハタでカクレクマノミのブリードを始めた当時から飼育している親ペアがいます。

そのペアの名前は、「ダイゴロー」。

ペアに1つの名前を付けるので、オスを「ダイゴロー・オス」、メスを「ダイゴロー・メス」と呼びます。

 

今でこそ、カクレクマノミの親は、産卵するペアがたくさんいますが、ブリードを始めた当時は、産卵未経験のもので数ペアからのスタートでした。

その中に「ダイゴロー」がいました。

つまり「ダイゴロー」は、所謂初期メンバー。そしてエースでした。

「ダイゴロー」は、初期メンバーの中でも最初の方に産卵を始めたからです。

 

さらに、ほかのペアが300個の卵を産むくらいになったとき、このペアは、500個程の卵を産みました。

そして、2〜3週間の間隔で産むペアが多い中、このペアは、毎回きっちり2週間間隔で続けて産卵をしました。

 

その「ダイゴロー」は今も、産卵を続けています。

飼育を始めて10年。

水槽を移動したり、養殖場を引越ししたり、多くの環境の変化があったのにも関わらず、春夏秋冬、変わらずに産み続けています。

 

本当に、頼りになる働き者の「ダイゴロー」にこれからもがんばってもらいたいと思っています。

  

 

泳ぎ方が違う!? ブリード個体の話

カクレクマノミは、Clown fishと呼ばれています。

Clownの意味は、「道化師」です。

それは、“泳ぎ方が、上下にお辞儀を繰り返すような、波打つような動きが、道化師のようだから”という説があるそうですが、不思議なことに、この泳ぎ方は、ワイルドの個体にしか見られません。

ブリードの個体は、ほとんどそのような動きをしないのです。

 

ワイルドの親から生まれた子供も、ブリード個体として育てられると、いわゆる“クマノミ泳ぎ”をしていません。これは、遺伝ではないようなのです。

 

どうしてブリードの個体は、“クマノミ泳ぎ”をしなくなってしまったのでしょうか・・・

海で育っていないから・・・というのが、大きな違いなのでしょうが、その理由はまだわかりません。

海の浅いところに生息しているワイルド生まれのものたちは、波に乗り続けているのであのような泳ぎ方をするのでは・・・とか、個人的には考えているのですが・・・。

イソギンチャクの中にいるカクレベビー

ところで、カクレクマノミがイソギンチャクの刺胞毒に強い秘密について、だんだん分かってきているみたいです。それは、カクレクマノミの体液には他の魚よりもある物質が多く含まれているからだそう。その物質はマグネシウムだそうで、イソギンチャクは、マグネシウム濃度の低い魚の体液に触れると刺胞を出すしくみだとか。それを発見したのが、女子高校生だというのも驚きです。

そのマグネシウムの濃度や、イソギンチャクの刺胞毒についてなど、これから明らかになってくることも増えるかもしれません。

 

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