サカサクラゲは、石サンゴと同じように体内に褐虫藻を共生させています。
この褐虫藻は、生まれたときから共生しているわけではなく、成長の過程で褐虫藻を獲得して共生を始めるようです。その褐虫藻が光合成するために、光が必要となるので、サカサクラゲは光のある方へ泳ぎ、集まる傾向にあります。
サカサクラゲの中には、青色だったり、茶色だったりするものがあります。これらを顕微鏡で観察してみると、体内に存在する褐虫藻と思われる茶色の球の数に違いがあることが分かりました。飼育している環境によって、体内の褐虫藻の数が変化し、色に違いが出るようです。
光を充分に当てて成長させると、体内の褐虫藻が殖え、茶色になります。しかし小さなサイズの時から光をあまり当てずに給餌によって成長させていると褐虫藻は殖えることができないため、サカサクラゲの体色は青色になります。白色にもなることがありますが、これは光を充分に当てて成長させた茶色のサカサクラゲを、今度はあまり光を当てなくなるとなりやすいようです。
顕微鏡で観察したサカサクラゲ
茶色のサカサクラゲ |
茶色のサカサクラゲの拡大図 褐虫藻と思われる茶色の球の数が多い |
青色のサカサクラゲ |
青色のサカサクラゲの拡大図 褐虫藻と思われる茶色の球の数が少なく、他の部分が青い |
白色のサカサクラゲ |
白色のサカサクラゲの拡大図 褐虫藻と思われる茶色の球はほとんどない また、色が抜けたような球も見られる |