カラージェリーは根口クラゲ目に属していて、サカサクラゲ、タコクラゲと同じ仲間です。また、タコクラゲやサカサクラゲと一緒で褐虫藻を体内に持っています。
カラージェリーはその名の通り、ブルーやワインレッド、パールホワイトなど、様々な色をした個体がいますが、それについては体内の褐虫藻の種類や密度などが要因の1つとして考えられます。
その形や色、バリエーションの豊かさから、観賞用として大変人気のある、水族館などでもよく見られるクラゲです。
カラージェリーの色バリエーション
色のバリエーション
カラージェリーは上記の通り、褐虫藻などの影響により様々な色の個体がいます。
※写真は一例です。
カラージェリー(ブルー) |
カラージェリー(ワインレッド) |
カラージェリー(パールホワイト) |
成長と色の変化
カラージェリーは成長するにつれて色が変化するものがあります。 弊社で養殖している個体の一例を紹介します。(あくまでも一例であり、全てが当てはまるというわけではありません。)
@傘径 〜1cm 若い透明な個体 |
A傘径 1cm〜2cm うっすら色が付いてきた個体 |
B傘径 2cm〜3cm 頭頂部のみ赤く変色している個体 |
C傘径 3cm以上 全身赤い個体 |
カラージェリーを飼育する
カラージェリーは遊泳力があるため、比較的飼育しやすいクラゲです。 また、カラージェリー同士なら1つの水槽で複数匹の飼育ができるので、カラーバリエーションも楽しめます。
用意するもの
●海水
人工海水の素などを使用して、海水をつくります。
●エアポンプ
水槽や底面フィルターなどにつないで使用します。
●水槽・フィルターなど
飼育方法1 くるくるクラゲ水槽で飼育する
ミズクラゲと同様、くるくるクラゲ水槽でも飼育することができます。ミズクラゲよりもかなり遊泳力がありますので、一定のスピードでクラゲが回転するのではなく、流れに向かったり流されながら泳いだりと、いろいろな動きをしてくれます。
飼育方法2 60cm水槽と底面フィルターで飼育する
前述の通り、ミズクラゲなどよりもかなり遊泳力のあるカラージェリーは底面ろ過での飼育も可能です。
60cm水槽にエアポンプと接続した底面フィルターをセットし、その上にサンゴ砂を3cm程度敷きます。そして底面フィルターの排水口まで海水を満たして準備完了です。60cm水槽では3〜4匹程度の飼育が可能です。
●ヒーター・照明など
飼育方法はほとんどミズクラゲと同じなのですが、低水温に弱いので20℃を下回るようでしたらプチオートヒーター(10W)など同等のヒーターは必ずセットしてください。
照明は、蛍光灯レベルで構いませんので日中は付けるようにしましょう。 褐虫藻が光合成できるようにするためです。
●エサ
エサは、ブラインシュリンプを好みます。冷凍のブラインシュリンプやクラゲ用の人工飼料も販売されています。
●飼育のコツ
ほかのクラゲにも言えることですが、エサを食べすぎると体が重くなってしまい、水槽の底に沈んでうまく泳げなくなってしまいます。 適正な量の給餌を心がけましょう。
カラージェリーは寿命が短く、半年程度といわれています。 適正な環境にして、適正な給餌で飼育をしても、どんどん傘がしぼんでいくことがあります。 その場合は、寿命が近いという可能性も考えられます。
カラージェリーの生活史
ミズクラゲやサカサクラゲなどと同様に、ポリプの状態では無性生殖、クラゲの成体では有性生殖をおこなって繁殖します。
サカサクラゲやタコクラゲと同様にポリプからクラゲが出現しますが、カラージェリーについては、その生態についての詳細が明らかになってはいません。ポリプからクラゲが出るきっかけは水温の影響だと思われますが、確かなことはまだ分かっていない状態です。
カラージェリーのポリプについて
カラージェリーについて現在分かっている中で、特徴的な点としては、ポリプの種類が「ペダルディスク ポリプ」であるということです。 ポリプからポリプが殖える場合の無性生殖の方法が、ほかのクラゲと異なっているのです。
カラージェリーのポリプはミズクラゲのポリプのように1箇所に定着するのではなく、移動をします。 その移動をする際にペダルディスク(足盤)を点々と残していくのです。 そのペダルディスクはポドシストと言われるポリプの赤ちゃんのようなもので、それが成長してポリプになっていきます。
カラージェリーのストロビラ
2mm足らずのクラゲの赤ちゃんが下の方から切り離れて10匹誕生し、最後にイソギンチャクの形をしたポリプが残ります。このポリプが、移動しながら足盤を点々と残し、そこから小さなポリプが生まれます。
ポリプの育成方法
ポリプだけを継続して育成する方法は、現在検証中で明確なことは分かっていませんが、エサにはブラインシュリンプを使用することができます。水温は25℃前後が比較的安定しています。