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ブラインシュリンプ

ブラインシュリンプとは

顕微鏡で観察した、ブラインシュリンプ(ノープリウス幼生)

ブラインシュリンプは、塩水湖に生息する動物プランクトンの一種で、学名の一部をとってアルテミアと呼ばれることもあります。ワムシと並ぶ、海水魚を始めとした小さな稚魚らのエサの代表であり、主に、ブラインシュリンプエッグ(卵)から孵化させて使用されています。卵は、北アメリカや中国などの塩水湖でよく採られます。

 

ブラインシュリンプは、植物プランクトンなどを与えることによって、1日でひとまわりほど大きくなります。

そのため、与える魚のサイズに合わせて、大きさを調整させて使用することもできます。例えば、大きく育てて、なかなか人工飼料に餌付きにくい魚のエサとして、与えることもできます。


また、ブラインシュリンプ自体の成長を観察するのも、おもしろいでしょう。 


 サイズ給餌対象になる魚
孵化したて

約400μm(0.4mm)

 大きめの海水魚の孵化仔魚、海水魚の稚魚、

 熱帯魚の孵化仔魚(ラミレジィなど)

〜24時間後

約800μm(0.8mm)

 大きめの海水魚の稚魚、

 熱帯魚の稚魚(グッピーなど)

〜2週間後

約1cm

 タツノオトシゴ、イエローヘッドジョー、ダンゴウオなど


 

 

ブラインシュリンプの生態

 

ブラインシュリンプの最大の特徴は、長期間乾燥に耐えられる耐久卵を産むことです。この乾燥した耐久卵が市販されていて、塩水に入れると約24時間で孵化することから非常に利便性が高く、淡水・海水両方の水産養殖現場でも重宝されています。また、泳ぎ方もヒラヒラと羽のような脚を羽ばたかせるようにして泳ぐため、その遊泳アクションの大きさから、稚魚の摂餌性が向上するとも言われています。

 

最初はノープリウス幼生と呼ばれ、動いているのがやっと確認できるくらいの小ささですが、およそ1〜2cmに成長したブラインシュリンプは眼らしきものや脚らしきものがはっきり確認できる大きさで、オスとメスが一緒になると交尾もします。交尾の様子は、2匹のブラインシュリンプがつながって泳いでいるように見えます。

メスが卵をもって泳ぐ様子も、目で見て確認できます。

 

培養について

 

ブラインシュリンプの場合は、培養というよりは、卵を購入して、孵化させて利用する、というのが一般的です。熱帯魚屋さんなどで販売されている、ブラインシュリンプエッグを購入して孵化させます。卵はなるべく高温多湿を避け、温度の低いところで保存しましょう。冷蔵庫のような4℃くらいになる場所が理想的です。

 

【塩分濃度】

孵化させるには、1〜3%の塩水でエアレーションをしたところへ卵を入れておこないます。塩分濃度が濃くなるに連れて水が汚れやすくなるので、孵化させる際に使用した塩水を、稚魚のいる水槽に入れないように気をつけます。


【水温】

水温27℃あたりだと、ほぼ24時間で孵化します。水温が低くなると、孵化にかかる時間も長くなります。

水温30℃を超えると孵化率は低下します。


【そのほか】

孵化後は、水面に卵の殻が残って浮いています。この殻はキチン質というものでできていて、水質を悪化させる原因にもなるので、なるべく取り除くようにします。

また、ブラインシュリンプは光の方向へ集まる習性があります。この習性を利用して効率よくブラインシュリンプを集めることもできます。

 

給餌の際に気をつけることとして、淡水魚には、このブラインシュリンプの孵化幼生をそのまま与えても成長しますが、海水魚に与える場合は、海水魚に必要とされる脂質(高度不飽和脂肪酸)が、ワムシと同様に少ないため、栄養強化する必要があります。


★家庭で培養する方法は→「家庭でできる稚魚のエサ」ページへ


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