ワムシ

ワムシとは

顕微鏡で観察したSS型ワムシ

ワムシとは、シオミズツボワムシの略称で、輪形動物というグループに属している動物プランクトンです。この輪形動物は淡水のものが多いのですが、ワムシは自然界では塩分が含まれる汽水湖や塩水湖に生息しています。


生物餌料としては、海水魚養殖において多く使用されていて、海水魚のブリードに使用する生物餌料もこのワムシが基本となります。


一般的に海水魚養殖で使用されているワムシは、L型・S型・SS型(タイ産S型) の3種類があります。 大きさは、それぞれ大小はありますが、L型で250μm前後、S型で150μm前後くらいです。海水魚の孵化仔魚の大きさは様々ですが、2〜5mmくらいととても小さいため、それらの口に入る大きさであり、培養もしやすいエサとして、ワムシは適した生物餌料なのです。

 

ワムシをきっちり準備することができれば、海水魚のブリードも一気に成功へ近づきます。ここでは、ワムシの培養についてや、ワムシ自体の変わった生態なども紹介いたします。

 

 

ワムシの生態

L型・S型・SS型(タイ産S型)の3種類は、皆同じシオミズツボワムシなのですが、汽水湖や塩水湖などのほかの環境と隔離された場所で生息しているために地域個体差としてサイズが異なるものになったと言われています。実際に、S型とSS型を同じタンクで培養すると、もともとが同じ種類なので、交雑して最終的には全てS型になってしまいます。

 

ワムシは、主に微細藻類などの植物プランクトンをエサにして成長、繁殖をおこないます。

基本的にワムシは、安定した環境ではメスしか存在しない、単為生殖で殖えていきます。

寿命は3日ほどで、メス1匹のみで繁殖して、メスしか生まれない卵を産みます。

1度に産む卵の数は1〜2個、

親は、卵を付けたまま泳いでいて、多いときには3個も4個も卵をつけているものもあります。

 

ただ、環境が悪くなったり、生命の危機を感じると、オスが生まれる卵を産みます。

このオスは、消化管がなく、エサを食べることができません。ただひたすらにメスを探して泳ぎ回ります。

メスと遭遇し、有性生殖をおこなうと、耐久卵という大きい卵を産むことができます。この耐久卵は乾燥などにも耐えられる状態で、半年〜1年ほど経過して孵化します。(一部、例外はあります。)



 

培養について


【塩分濃度】

ワムシを培養する際に使用するのは、海水でも可能ですが、生物餌料として培養する場合、自然界での生息環境に合わせて、2/3に希釈した海水にした方が安定して培養ができます。これだと、増えるスピードも速くワムシの状態も安定する、単位生殖で増殖させることができます。

 

【水温】

水温が27~28℃くらいあると、増殖スピードが速いので、安定して培養することができます。水温が低くなるにつれて、増殖のスピードは低下します。水温が高くなると、増殖スピードも速くなりますが、同時に水質の悪化も起こりやすくなります。ワムシの使用状況を見ながら調整することが大切です。

 

【培養の際のエサ】

ワムシは、植物プランクトンが主食です。培養する際は、クロレラなどの植物プランクトンを給餌します。

 

上記のようなワムシ培養は、一般家庭では難しいと思われがちですが、コツをつかんでしまうと簡単です。

また、海水魚や一部の淡水魚を繁殖させるためには、ワムシなどの生物餌料がとても重要になってくるので、ぜひ培養にチャレンジしてください。

 

★家庭で培養する方法は「家庭庭でできる稚魚のエサ」ページへ

 

 

 

 

 

 

 

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