クラゲ
クラゲについて
最近では、水族館やイベントでの展示などで人々を魅了する機会が多くなったクラゲ。学術的分野でも、クラゲの研究でノーベル賞というニュースがありましたし、"クラゲには癒しの効果がある”という研究結果も報告されているようです。
一 方で、海ではエチゼンクラゲが大量発生して、ブリ漁の妨げになっていたり、ミズクラゲの大量発生で海水取水ができなくなるというニュースも時々耳にしま す。このようなニュースを聞くと、強く記憶の片隅に残っていたことが、思い出されます。大学の講義で先生が、「クラゲは有性生殖でも無性生殖でも増えることができるから、将来はクラゲしか残らない海 になるかもしれない」と話されていたことを。それから20年経った今も、そのような海にはなっていないようですが、確かに、クラゲは有性生殖でも無性生殖でも増えることができ、少しでも多くの子孫を増やそうとしています。
クラゲは、子孫を残す形態もひとつではありませんが、その姿・形自体もさまざまに変化して過ごしています。ここで紹介するサカサクラゲなど鉢クラゲ類は、種類によって少しずつ異なりますが、その生活史の大まかな流れは以下のようになります。ここから分かるように、皆さんがご存知の ”クラゲのかたち” でいる期間は、案外短いものなのです。
鉢クラゲ類の生活史
※種類や条件によって詳細は異なります。
【プラヌラ】
楕円体をしていて多数の繊毛をもち、海中を泳ぐ幼生。岩などに着底・付着するとポリプに変化します。
【ポリプ】
ラッパのようなイソギンチャクのような形をしたもの。岩などに付着し、触手に絡んだエサなどを摂取して増えます。
【ストロビラ】
ポリプが変化した、エフィラをつくっている状態のもの。この状態に変化することをストロビレーションと呼んでいます。
【エフィラ】
ストロビラから独立して海水中へ出ていったもの。クラゲのベビーといったところです。
【成体】
海などで私たちがよく見ることができる親クラゲのことを、生活史の中では、このように呼んでいます。
鉢クラゲの仲間であるサカサクラゲのポリプがクラゲの成体に成長するまでの様子を動画でご覧いただけます。
エフィラが拍動する様子や、給餌後の親クラゲの様子もあります。
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