アジアアロワナを含むアロワナ類は比較的丈夫な種類ですが飼育環境により病気になったり、怪我をすることがあります。とりわけアロワナ類に起こりやすい症状を解説します。
目が白濁する
目の表面もしくは内部が白く濁る症状
【原因】
水槽への衝突や、移動の際の網でのスレなどにより、目が傷つき白濁が起こる場合があります。
【対処方法】
目の表面の白濁は、水質の悪化、pHの低下などの原因が考えられるため、水質をチェックし水換えをおこなうことにより完治する場合があります。目の内部から白濁している場合には、目の傷から感染症を引き起こしている可能性が考えられます。
グリーンFなどの細菌性に効果のある薬を使用すると治る可能性もありますが、症状の進行度合いにより完治させることが難しい場合もあります。
目が垂れる
眼球が下を向いていしまう症状
【原因】
自然下では昆虫などを捕食しているため、常に上を気にしていますが、飼育環境下では底面が近いため、下に落ちたエサなど常に下を気にしてしまうことが原因と考えられます。
繁殖など生きていく上ではほとんど支障はありませんが、愛好家の中では観賞価値が落ちてしまいます。
【対処方法】
1度発症すると、治すのは非常に難しいです。水槽の周りを覆うなど外を見えにくくすることにより治ることもあります。
エラがめくれる
エラ蓋の縁にある鰓膜が外側へめくれ上がる症状。
【原因】
エラめくれの原因の詳細は不明ですが、水質の悪化、生活空間の狭さ、酸素不足、寄生虫によって起こるのではないかと考えられています。
この症状も繁殖など生きていく上ではほとんど支障はありませんが、愛好家の中では観賞価値が落ちてしまいます。
【対処方法】
対処方法としては、水槽を大きくする、酸素供給量を増やすなどがありますが、完治するのは難しいです。また、湾曲した部分を切り取ることにより再生させる対処方法もありますが、麻酔薬(オイゲノール、フェノキシエタノール)を使用しなければ切り取ることが難しいため、1歩間違えれば死んでしまう恐れがあるなどリスクを伴います。
顎がずれる
上顎と下顎がずれてしまう症状
【原因】
この症状もはっきりとした原因は分かっていません。何かにぶつかったことによるもの、栄養障害などが考えられます。この症状はスプーンヘッド(頭の上部がスプーンの先のように上を向く)と呼ばれる個体に見られることが多いです。
この症状も繁殖など生きていく上ではほとんど支障はありませんが、愛好家の中では観賞価値が落ちてしまいます。
【対処方法】
現状、この症状を治す対処方法はこれといってありません。
脊椎湾曲
一般的に『背曲がり』と呼ばれる症状
【原因】
稚魚期の栄養の偏り、脊椎の損傷などが原因として考えられます。この症状は20cmを越えたサイズからはほとんど発症せず、それまでの成長過程に発症することが多いです。
【対処方法】
現状、この症状を治す対処方法はこれといってありません。
尾ビレの欠損
何かに驚いたり、ヒレを他の魚に噛まれたりすると、自ら尾ビレを根元から切ることがあります。
ヒレは再生しますので、特に処置をする必要はありません。