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気軽に♪ 手軽に♪ 〜 タツノオトシゴの飼育提案 〜

タツノオトシゴは、自然下では微細な甲殻類を主食としています。動いている甲殻類を見つけると、近づいていき、もの凄い勢いで吸い込んで捕食します。

 

つまり、家庭でタツノオトシゴを飼育しようとする時は、活きエサの確保がネックになってきます。

 

しかし、カミハタブリードのタツノオトシゴは冷凍飼料に餌付け済み

 

ここがとても重要なポイントで、

餌付いているタツノオトシゴ は とても簡単に飼育することができます。

 

飼育設備自体は、一般的な海水魚を飼育する器材があれば、問題なく飼育できます。

 

 

1.飼育設備

魚を飼育するうえで、水槽の大きさ、水量は多いことに越したことはありません。水質の悪化を緩慢にすることができますし、夏や冬においても飼育水の昼夜の水温差を少なくすることができるからです。

 

しかし、飼育設備や飼育数を適正にすることで、小型水槽でも飼育が可能です。

 

海水魚飼育と聞くと、大掛かりな設備が必須と思われがちですが、ここでは『気軽に、手軽に』をモットーに、タツノオトシゴの飼育例として、30cmキューブ型水槽での飼育をご紹介します。

 

 タツノオトシゴ飼育設備イメージ

 

 
飼育匹数

水量約27Lの30cmキューブ型水槽に、カリビアンシーホース(カミハタブリード)を4尾入れています。

照明

照明は、観賞面においては蛍光灯でもLEDでも問題はありませんが、今回はアクアカルチャーロックとカリブ海産のゴルゴニアンをレイアウトに使用しているため、高光量を確保できる『ヴォルテス』を使用しています。

 

ゴルゴニアンはポリプをしっかりと開き、海道河童フィルターからの水流に揺られ、さながらカリブ海の一部を切り取ったかのようになりました。やはり、その魚種の生息する海域のサンゴで合わせるとかっこいいですね。

ろ過装置

ろ過には、フィルターとプロテインスキマーがドッキングした『海道河童フィルター』を使用しました。

小型ながらろ過機能を強化させたことで、小型水槽でも水質の維持が楽になります。

 

2.エサ
活きエサ

 

 イサザアミ

タツノオトシゴのエサには活きたイサザアミが一般的に知られています。海水魚や繁殖に力を入れている専門店等で入手することができます。また、通信販売もされています。活きエサなので、それらをストックする水槽が必要になります。

 

タツノオトシゴにイサザアミを与えると、活発に追いかけていき、吸い込んで捕食します。

 

 
冷凍飼料

 

 冷凍飼料 ホワイトシュリンプ

カミハタブリードのカリビアンシーホースは、キョーリンの『冷凍ホワイトシュリンプ』に餌付け済みです。

 

これにより、活きエサの確保、ストックが不要となるため、飼育が手軽になります。野生の個体を、冷凍飼料に慣らせるのはなかなか根気がいりますが、冷凍ホワイトシュリンプを最初から食べてくれるのは、ブリード個体の強みです。

 

 

給餌回数

給餌回数は、基本的に基本的に1日3回、数分で食べきれる量を与えてください。冷凍ホワイトシュリンプが底に沈んでしまっても、タツノオトシゴは器用に探し出して食べてくれます。

 

タツノオトシゴの体表はゴツゴツした硬い表皮で覆われているため、他の魚種に比べ痩せていることに気付きにくいです。痩せて、体表のゴツゴツが浮いてきてからでは衰弱が激しく手遅れになることがあるので、こまめに観察し、エサが十分に行き渡っているかをチェックしましょう。

 

3.管理方法

海道河童フィルターでろ過能力を高めているとはいえ、小型水槽での飼育にはいくつか注意する点があります。

 

水温

冬場はヒーターがあるため、ほとんど心配ないですが、夏場は水温の上昇に注意が必要です。

 

水槽用クーラーを設置するのが最も効果的ですが、エアコンの効いた涼しい環境で飼育するか、冷却ファンなどを使用して水温上昇対策をしてください。カリビアンシーホースは、暖かい海に生息しているため、水温28℃までならば問題なさそうです。

 

塩分濃度

小型水槽は水量が少ない分、水の蒸発による塩分濃度の上昇が大きいです。空気の乾燥する冬場、冷却ファンを使用する夏場の水の蒸発には注意してください。

 

比重計や塩分濃度計を使用してこまめに塩分濃度をチェックするようにしましょう。

 

塩分濃度が高い場合は

塩素中和した水道水を、飼育水が蒸発して減った分量足して、濃度を正常に合わせます

 

4.混泳

単刀直入に言うと、タツノオトシゴは他の魚種との混泳には向いていません。泳ぎが非常にゆっくりしているので、エサを他の魚に横取りされてしまったり、ビュンビュンと泳ぎまわる魚がいるとストレスを感じやすいようです。

 

このことから、基本的にはタツノオトシゴだけでの飼育となります。あえてタンクメイトを選ぶとすれば、同じく動きがゆっくりしていてエサの面でも似通っている小型のヨウジウオ類でしょうか。

 

 左:オイランヨウジ 右:メニーリングパイプフィッシュ

   

 

また、先に述べたように、動きが遅いため、ライブロックなどに潜んでいるエビやカニなどの甲殻類にも注意が必要です。夜間、タツノオトシゴの寝込みを襲う可能性がありますので、水槽内で、それらを発見したら取り除いてください。

 

 その他、サンゴやイソギンチャクなどの刺胞動物にも注意が必要です。タツノオトシゴは尾を物に巻きつけて体を支えます。そのため、刺胞毒の強いイソギンチャクなどがあると体表に炎症が起き、重症の場合は死んでしまいます。ライブロック等の表面にカーリーが発生したときも注意が必要です。

 

ただし、カリブ海産のゴルゴニアンなどのヤギ類は刺胞毒が弱いため、タツノオトシゴ飼育にはおすすめです。隠れ場や足場になり落ち着くようです。

 

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