ベタ(Betta splendens)は古くから観賞魚として世界中で愛されており、金魚やグッピーと並んで品種改良も、タイを中心に盛んにおこなわれてきました。
現在、市場に出ているベタも、ほとんどがタイ産です。
タイのブリーダーが、次々と新しい品種を生み出していて、その結果、多様な特徴を持つベタが作出されています。
その改良品種のもとになっている原種が「Betta splendens」です。
この種をもとに、トラディショナルをはじめとする様々な改良品種が作り出されてきました。
この種は、本来、メコン川下流域に広く生息していましたが、放流による交雑などが原因で、原種の純粋な「Betta splendens」は少なくなっており、現在はタイ北部の山岳地帯周辺で確認されている程度となっています。
エラ蓋の赤いラインが特徴です。
Betta splendensの原種。この種を基に様々な品種が作り出されました。
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Betta splendensの改良品種たち
では、Betta splendensの原種から、どのような改良品種たちが生まれたのか。
それぞれ、ヒレの形や大きさの特徴によって、分類されています。
【 トラディショナル 】 |
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ベタと言えば、この品種を想像する方も多いはず。 一般的に広く認知されており、比較的安価で最も流通量が多い品種です。「ベールテール」と呼ばれる長いヒレを持ち、カラーパターンも豊富。入門種と言えます。 |
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【 ダブルテール 】 |
尾ビレが上下に分かれる品種。
他の種類と比較して、背ビレが大きいことも特徴です。 |
【 フルムーン 】 |
ダブルテールにハーフムーン(下記)をかけ合わせた品種。各ヒレの開きが広く、まさに“満月”と言えます。ヒレが大きく、とても見栄えがする品種です。 |
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【 クラウンテール 】 |
各ヒレの軟条(レイ)が突出して伸長したタイプ。ヒレを開いた様が、王冠(CROWN)に見えることから、この名がつきました。 |
【 キングテール 】 |
クラウンテールの中で、軟条(レイ)が枝毛のようにYの字に分岐し、ヒレ先で交差しているタイプです。
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【 スーパーデルタ 】 |
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尾ビレの開度が120〜180度未満の個体。カラーバリエーションが多く、値段もハーフムーンより安価なことが多いため、求めやすさから人気が高い品種です。 |
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【 ハーフムーン 】 |
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名前のとおり、まるで半月のように尾ビレが180度に展開するタイプ。現在のショーベタ(コンテストクラス)のスタンダードであり、その美しさから幅広い人気があります。 |
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【 ローズテール 】 |
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尾ビレの膜が伸張して重なり合う品種。その姿を薔薇の花弁に見立ててローズテールと呼ばれています。 |
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【 ハーフサン 】 |
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クラウンテールの軟条(レイ)が通常より細く、本数も多くなるよう改良された品種。ハーフムーンとダブルテールとクラウンテールをかけあわせています。流通量が非常に少なく、珍しいタイプです。 |
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【 プラカット 】 |
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現地語でプラ(魚)、カット(噛む)と呼ばれ、闘魚に用いるために長年改良されてきた品種。比較的原種に近い形質をもっています。そのためか、非常に丈夫で飼いやすいタイプです。闘争心も非常に高く、他の品種のベタと争うと、圧倒することが多いです。 |
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プラカットハーフムーン |
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観賞魚用として尾ビレの開きを良くするために、ハーフムーンとかけあわせた品種です。市場に流通しているプラカットは、だいたいこのタイプ…。 |
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プラカットクラウンテール |
プラカットダブルテール |
あまり作出されてはいませんが、プラカットにクラウンテールをかけたものです。 |
プラカットにダブルテールをかけたもの。ちょこんとしたハート型の尾ビレがとてもかわいらしいです。 |
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【 ジャイアント 】 |
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文字通り、大きく成長する系統。成長すると、体長が6cm以上になります。現在も様々なタイプが作出されています。 |
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【 ダンボ 】 |
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胸のヒレが象の耳のように大きく成長する個体。ヒラヒラと胸ビレをなびかせる姿は、とても魅力的です。 |
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