養魚場で泳ぐメダカ |
さて、このページではさらに踏み込んだ『繁殖』について取り上げていきます。
メダカの繁殖、それはメダカを楽しむ上で欠かすことのできない要素かもしれません。 というのも、小学生からお年寄りまで、誰もが簡単にメダカの繁殖に挑戦し、成功させることができるからです。 と同時に、ヒレや体型、体色などの遺伝的要素を考慮しつつ、繁殖を重ねることでオリジナルのメダカを生み出すと言う、よりディープな楽しみ方までできるのです。 このように幅広い年代が、好みに合わせて繁殖をおこなうことができる、そのような魚はメダカ以外には、そういないでしょう。
メダカ繁殖成功への第一歩は、愛情を注いでメダカたちを飼育すること。 でも、繁殖にはちょっとだけ根気とコツも必要だったりしますので、ここでメダカ繁殖に挑戦する皆さんのお手伝いをしたいと思います。
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そのほか、変わりメダカの品種詳細、飼育方法、メダカ系統樹など盛りだくさん。
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雌雄の判別
メダカの雌雄の判別は他の魚たちに比べると大変簡単です。背ビレと臀(しり)ビレの形を見れば、ほぼ100%雌雄の見分けがつきます。
※画像クリックで拡大します(別窓)
オス |
メス |
『背ビレ』
オスの背ビレは全体的にギザギザしていて一本の大きな切れ込みが入ります。
これに対し、メスの背ビレの縁は滑らかで切れ込みも入りません。
『臀(しり)ビレ』
ヒレの縁の形状に着目しましょう。オスの臀(しり)ビレの縁は直線を描いて後方へ伸びています。
これに対し、メスの臀(しり)ビレは画像に示していますように、滑らかな曲線を描いているのです。
繁殖に必要な道具
●いつもメダカを飼育している容器
産卵をさせるのは、いつもの容器でOKです。
●稚魚用容器(サテライト水槽、小型水槽、メダカ鉢)
産み付けられた卵や、孵化した稚魚を親から隔離しておくための容器です。大変残念なことですが、親メダカは卵や孵化仔魚を食べてしまいます。 そんな悲しい事態を避けるためにも重要なことです。
●産卵床(水草・産卵用ネットなど)
文字通り、メダカが卵を産みつけるためのものです。野生のメダカたちは水草に卵を絡ませて産みつけています。 ちなみにこんなものが産卵床として使えます。参考にしてみてください。
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ホテイアオイの根に産み付けられた卵
水切りネットに産み付けられた卵。
よーく見ると発眼しているのがわかります。
卵を産ませるためには・・・
メダカが産卵するための三大要素を知っておきましょう!
その1 日照時間
メダカは日照時間(太陽が照っている時間)によって繁殖期を判断しています。それゆえ、野生では立春を過ぎたころから産卵が始まります。
飼育環境の下でも、これを再現してあげることが重要なのです。具体的には、鑑賞魚用の照明を使い、一日約13〜14時間、水槽を照らしてあげましょう。そうすると冬場でもメダカたちは卵を産んでくれます。
☆必要な条件はこれだけではないので、次もちゃんと読んでくださいね。
その2 水温
寒くなるとメダカは、あまり餌を食べなくなり底の方でじっとしていることが多くなります。こうなると産卵どころの話ではなくなってしまうのです。
野生のメダカは水温が18〜20℃を超えると産卵を開始します。 この温度はその1で述べた立春の頃の水温とほぼ同じくらいなのです。もちろん地方によりけりですが、、、ちゃんとリンクしているんですね。このような条件の一致を見ると、生物とは良くできてるもんだなーとつくづく感じてしまいます。
話を戻しましょう。 そこで、やはり飼育環境の下でもメダカが産卵しやすい水温を作ってあげることが重要です。観賞魚用ヒーターを使い、水温を約25℃付近にしてあげましょう。
☆さて2つ目が終了です。残すところあと一つ!
その3 飽和給餌(ほうわきゅうじ)
「飽和給餌」とは、なかなか馴染みの薄い単語かもしれませんが、非常に重要なキーワードです。
要するに、お腹いっぱいになるまで、たらふくご飯を食べさせるということですね。腹八分なんて言ってられません。腹一杯です。
産卵にはものすごいエネルギーを必要とします。 親メダカの栄養状態が良くなければ、エネルギー不足で産卵をすることができなかったり、産卵数が少なくなることがあります。通常の飼育でも産卵することはありますが、飽和給餌をすることによって、産卵数が増えたり、孵化する稚魚が丈夫に育つ可能性は高くなります。
そこで、繁殖を目的とした飼育の場合には、ある程度メダカが大きくなり、エサを食べることに慣れてきた時点で、ろ過能力とバランスを見ながら徐々に給餌量を増やしていくと良いでしょう。ろ過能力が足りない場合は、追加するなどして改善します。そうして、飽和給餌がちゃんとできるようになれば、メダカはみるみるうちにまるまると太り、繁殖の準備が整います。
飽和給餌ができている/できていないメダカの違いを比べてみましょう。
飽和給餌できている |
飽和給餌できていない |
どちらが飽和給餌できているメダカであるか一目瞭然ですね。飽和給餌によってメダカの太り具合というのはここまで差が出るものです。
ただ、エサのやりすぎにはご注意!!!さすがに一日で水換えが必要になるくらいエサが残ってしまってはいけません。メダカの様子を観察しながら、量を調節します。
一度に大量のエサを撒くのではなく、いつもの3〜5倍量のエサを、少しずつ数回に分け、より時間をかけて与えると良いでしょう。
⇒具体的には・・・
例えば、普段、1日3回1つまみのエサをあげているとしましょう。その場合、産卵期には1日を通じて、9〜15つまみ分のエサを与えます。ただし、3回の給餌でこの量を与えることは難しいため、エサの回数を増やします。1日5回程度、2〜3つまみずつ与えてあげてください。
※飽和給餌をおこなう際は、水質の変化が起こりやすいため、底面掃除や換水などもおこない、メダカの状態に目配り・気配りを忘れないようにしましょう。
三大条件全てに言えることは、メダカへの愛情と観察を忘れないことです。
日々のメダカの変化を愛情をもって観察することはとても楽しいものです。
産卵から稚魚の育成まで
産卵
産卵が近くなるとメスのおなかはパンパンに膨れ、オスがメスに寄り添って泳ぐようになります。
さらに時間がたつと、メスはおなかにぶら下げるような形で体外に卵を放出します。 このときペアとなっているオスが卵に精子をふりかけ、受精するのです。
その後、メスは産卵床となる水草やネットの中に入り、卵を産み付けていきます。 産卵床に卵がついていること(上の写真のような)を確認したら、産卵床ごと他の容器に移してしまいましょう。
孵化
インフゾリア
水温にもよりますが、水温が25℃程度のとき、1週間ほどで孵化が始まります。
生まれたばかりの稚魚はおなかにヨークサックと呼ばれる栄養のかたまりを持っていて、1〜2日はこの栄養を消費して過ごします。
エサを食べるようになったら、インフゾリアと呼ばれる原生動物や、なるべく粒の細かい人工飼料を与えます。
孵化仔魚の育成
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順調に成長した場合、約1ヶ月半で2 cm、約3ヶ月で成魚の姿になります。
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